足りていると気づける今が、実はいちばん豊かな時間
仏教に「知足(ちそく)」という教えがあります。「足るを知る」――
今あるものに満たされていると
気づく心の在り方です。
私の配送ルートの途中にある小さな公民館では、
70代の方々が週に数日、
軽作業や清掃のお手伝いをされています。
「何もしないとボケるから」
「人と話したくて」と笑いながら。
その姿を見るたびに思うのです。
あれは本当に、「選べている人」の顔だな、と。
今日は働く。今日は休む。
体調が悪ければ無理しない。
そんな当たり前に思える自由が、
実はとてつもなく貴重な「幸せ」
なんだということを、
私たちはあまりに軽く見すぎていないでしょうか。
でも、正直に言います。その「選べる自由」は、もう長くはないかもしれない。
心理学に「自己決定理論」という考え方があります。
人は、自分で選択できるとき、
強制されずに決められるとき、
最も幸福度が高まる、という理論です。
ところが現実を見てください。
年金の受給額は思ったより少なく、
電気代・食材・医療費は上がり続けています。
スーパーのレジで合計金額を見るたびに、
胸がざわつく経験、最近ありませんか?
このまま何も変えなければ、
「体を動かすために働く」という
余裕のある言葉は、やがて
「働かなければ生きていけない」という
切実な言葉に変わっていきます。
「何もしないとボケるから」——
そんな穏やかな言葉が言える時代は、
もうすぐそこで終わろうとしているんです。
46歳の私が今、軽貨物の仕事をしながら
真剣にセルフベーシックインカムを考え始めたのは、まさにその現実に気づいたからです。
大切なのは、「今」どんなジャッジをするかではなく、「今」何を選ぶか
ここで少し、視点を変えてみてください。
私たちは無意識のうちに、
いろんなことをジャッジしています。
「不労所得なんて怪しい」
「自分には無理だ」
「今さら変われない」——
そういった色眼鏡が、
行動の芽を摘んでいることがあります。
でも、考えてみてください。
どんな選択も、
まずその存在を認めることが大切です。
「そういう道があるんだな」と、
フラットに受け取るだけでいい。
禅の言葉に「而今(にこん)」という言葉があります。
「今、この瞬間」という意味です。
未来の不安に飲み込まれるのでも、
過去を悔やみ続けるのでもなく、
今この瞬間に何を選ぶか、
それだけが未来を変える力になります。
備えは、まだ「選べる今」だからこそ意味がある
転ばぬ先の杖、備えあれば憂いなし——
これは古い言葉ではなく、
これからの時代を生き抜くための
現実的な知恵です。
私自身、まだ試行錯誤の途中です。
でも、今日の小さな一歩が、
1年後の安心になり、
5年後の選択肢を守り、
10年後の自由につながると
信じて動いています。
特に日本に生きる私たちは、
まだ「選択できる環境」の中にいます。
これは世界を見渡せば、
当たり前ではありません。
だからこそ、選べるうちに、準備を始める。
「いつかやろう」ではなく、
今日この記事を読んでいるあなたが、
今日の自分にできる
小さな一歩を踏み出してほしいのです。
難しく考えなくていい。
重くならなくていい。
自分の内面を少しずつ整えながら、
ゆるやかに、でも確実に、
次の時代への備えを積み上げていきましょう。
あなたの「選べる幸せ」を、
どうか自分の手で守ってください。